「まだ呼ばれないの？」「あと何分待つの？」

薬局のカウンターで、患者様からこのようなお声をいただくことはありませんか？

日本薬剤師会の調査などでも、薬局に対する患者の不満の第1位は常に「待ち時間の長さ」です。

待ち時間は、単に患者様の満足度を下げるだけでなく、薬剤師や事務スタッフへのプレッシャーとなり、ミスの誘発や離職にもつながる重大な経営課題です。

本記事では、明日からできる運用改善から、最新のDXツールを活用した抜本的な解決策まで、薬局の待ち時間を短縮する3つのアプローチをご紹介します。

なぜ「待ち時間」はなくならないのか？

対策の前に、なぜ待ち時間が発生するのか、そのボトルネックを整理しましょう。多くの薬局で共通する原因は以下の3点です。

入力業務の負荷: 処方箋1枚あたりのレセコン入力に時間がかかり、調剤開始が遅れる。

ピークタイムの集中: 特定の時間帯に来局が重なり、物理的な処理能力を超える。

「見えない」不安: 「あとどれくらい待つのか」が分からず、患者様の体感待ち時間が実際の時間より長く感じる。

これらを解消するための、具体的な3つのステップを見ていきましょう。

対策①：オペレーションの「事前準備」を徹底する

システムを入れずにまずできることは、ピークタイム前の準備です。

予製（予備調剤）の活用: 頻出する処方パターンについては、あらかじめ一包化やピッキングを済ませておく。

タスクの分散: 患者様が集中する時間は、電話対応や在庫管理などの「緊急でない業務」をストップし、全員で窓口と調剤に集中する体制を作る。

しかし、人手不足が叫ばれる昨今、スタッフの頑張りだけでは限界があるのも事実です。

対策②：「待たされている感」を減らす（心理的アプローチ）

待ち時間のクレームの多くは、「時間そのもの」よりも「いつ呼ばれるか分からないストレス」から生まれます。

目安時間の提示: 受付時に「本日は混み合っており、30分ほどお時間をいただきます」と明確に伝える。

番号呼び出しの導入: 「次は自分の番だ」と可視化されるだけで、イライラは大幅に軽減されます。

外出の提案: 「お買い物をされてきても大丈夫ですよ」と声をかけ、薬局内で待たせない工夫をする。

対策③：テクノロジーで「入力」と「受付」を自動化する（根本解決）

最も効果が高いのが、ボトルネックである「処方箋入力」と「受付業務」の自動化です。最新の薬局DXでは、以下のような解決策がスタンダードになりつつあります。

1. AI-OCRで入力を「10秒」にする

これまで事務スタッフが手打ちしていた処方箋入力を、AI（人工知能）に任せる方法です。

最新のAI-OCRシステムであれば、QRコードがない処方箋でも、スキャンするだけでわずか数秒でレセコンにデータ連携が可能です。

効果: 入力ミスがなくなり、確認作業もスムーズに。薬剤師が対人業務（服薬指導）に集中できる時間を生み出します。

2. 受付のセルフ化（スマート薬局化）

銀行や飲食店のように、患者様自身にタブレットで受付をしてもらうシステムです。

処方箋を受け取った瞬間から番号が発券され、モニターに「呼出状況」が表示されるため、患者様は安心して待つことができます。

結論：システムによる「仕組み化」が最強のクレーム対策

精神論でスタッフに「早く動け」と言うのは、現場の疲弊を招くだけです。

「人がやらなくていい作業はAIに任せる」 これこそが、待ち時間を減らし、患者様にも選ばれる「スマートな薬局」への近道です。

NeoX（ネオックス）では、処方箋入力AI「薬師丸賢太」や、受付・呼び出しを自動化する「スマート薬局」など、薬局の待ち時間問題を解決するソリューションを提供しています。

「うちはどれくらい効率化できる？」と気になった方は、ぜひ最新の事例資料をご覧ください。